夏になり、気温が上がるとアトピーが悪化する人がたくさんいます。
赤み、痒みが強く、時にはジュクジュク。
眠れなくなるほどの症状になることもあります。
年々、最高気温を更新しているような状態ですし、私たちの環境の変化も大きく関わっていると思います。
また暑すぎるがゆえに、キンキンに冷房のきいた部屋で過ごしているうちに今度は逆に寒くなる人もいるくらいです。
原因と対策を知り、悪化が少しでも抑えられるようにしましょう!
アトピーが夏に悪化する原因は?
季節には特徴があり、その特徴に反応できずアトピーが悪化してしまいます。
では夏はどんな特徴があり、悪化させてしまうのか見ていきましょう。
気温が高い
梅雨があけると一気に気温が上がります。
熱中症のニュースも毎日のように入ってきます。
アトピー性皮膚炎の方は汗が出にくかったりして体温調節がうまくできないことも多いです。
なので、熱がこもりやすく、体が熱くなると痒みに繋がります。
痒みもそうですが熱中症にもなりやすいので気を付けて下さい。
また梅雨で悪化するタイプの人は、梅雨で壊れた皮膚の影響を夏まで持ち越してるパターンも考えられます。
紫外線や汗をかくことによる肌トラブル
夏は紫外線がとても強く、アトピー性皮膚炎の人にとって紫外線は肌を悪化させる要因の一つ。
肌が潤っていれば紫外線の影響はそんなに受けませんが、元々肌が乾燥ぎみの人は紫外線の刺激が肌の奥にまで入り、それが痒みを起こす原因になります。
例えるなら、生魚と干物、どちらのほうが焼けるのが早いかって話です。
水分の多い生魚は焼けるまでに時間がかかりますが、始めから水分を飛ばしている干物のほうが早く良い色に焼けますよね。
人間の肌も同じです。
極端な話、アトピー性皮膚炎の方は干物に近い肌質だと考え、対策するのが一番です。
人は汗をかいてその汗が蒸発する時に、周りの熱も一緒に奪って体温を下げようとします。
アトピー性皮膚炎の場合、その汗が刺激となり痒みが出ていることが予想されます。
その汗を放置しておくと・・・
角質がふやけてめくれる → → → 敏感
汗と一緒に保湿成分が流れ出る → → → 乾燥
角質がめくれバリア機能低下または角質が固くなり毛穴がつまる → → → ニキビ
といった肌トラブルを起こす原因になってしまいます。
冷房や冷飲食で体が冷えている
暑いとどうしても冷房をガンガンにきかせ、冷たい物を食べたり飲んだりしがちです。
冷房のきかせすぎは、体温コントロール力の低下に繋がります。
また冷飲食をすると胃腸の機能が弱ります。
解毒も出来なくなり、老廃物が溜まり、アトピー悪化に繋がります。
夏のアトピーに良い対策は?
夏のアトピーの悪化の原因は、気温、紫外線、汗、冷房、冷飲食だとお伝えしましたが、それぞれどんな対策をとると良いかお伝えしたいと思います。
気温は下げれない!代わりに涼しくする工夫を!
外出時、気温を変えることはできませんが、自分の周りだけ涼しくする方法はあります。
それは日傘を使うこと。
女性は比較的よく使っていると思いますが、今の時代、男性も使わなければ暑さに勝てません。
使う傘の種類にもよりますが-3度程の温度変化があるので絶対使った方が良いです。
環境省による「日傘の活用推進について」報道資料はこちらから
性能の良い生地で作られた日傘ならもっと体感温度が涼しく感じられますので、デザインなども含め自分の気に入った傘を使用してみてはどうでしょう?
これは気温対策と紫外線対策にもなります。
あとはハッカ水を作り体に吹きかけるとめちゃめちゃ涼しくなります。
水とハッカを混ぜるだけ。
片手に収まるような小さいスプレーボトルなら水を入れ、ハッカ油を1滴落とすだけで十分です。
ただし、人によりは涼しさより刺激になってしまうと逆効果なので様子をみて使用して下さい。
ハッカは冷やす性質があるので暑い夏にはおススメです。
私はお風呂あがりに洗面器にお湯をため、1滴ハッカ油を落とし、混ぜたものを体にかけて出ています。
たまにポタポタ・・・と数滴入ってしまいそのまま使用し、寒すぎて夏なのにガタガタ震えた経験がありますので、量に注意です!
ハッカ油を混ぜた水にタオルを入れ、絞り、濡れタオルにしたもので汗をふいたりすると涼しく感じ汗も引いていきます。
暑くてとる行動を見直す
汗をかくから水分補給もすると思うんですが、飲みすぎはNG.
また氷入りの飲み物や、アイスを頻繁に食べたり。
一時的には体は冷えますが同時にお腹も冷やすことに。
また、素麵や冷麺など冷たい料理ばっかり食べるのもお腹を冷やし、消化機能が落ちる結果にも繋がります。
これらはアトピーだけでなく夏バテの原因にもなるので注意して下さい。
こんな時に役立つのが薬膳の知恵。
食材にはそれぞれ効能があり、季節や自分の体の状態に合わせるのが良いです。
夏野菜は体の余分な熱を取ったり、乾いた体を潤してくれる食材が多いので、積極的に夏野菜を食べるのも対策の一つです。
夏を乗り切る簡単薬膳レシピ
旬の食材を使った料理も立派な薬膳です。
夏は夏野菜を使った料理を作りましょう!
体の余分な熱を冷まし、血流を良くしてくれ、お腹にも優しいメニューです。
◉夏野菜の煮びたし
①つけ汁を作る。
だし汁300cc、みりん大2、しょうゆ大2(同量)を煮立たせる。
タッパーや保存袋などに入れておく。
めんつゆや白だしでも簡単にできるのでお好みに応じて調整してください。
②オクラ1袋5~10本、プチトマト4~5個、ナス1本、ズッキーニ1/2本、パプリカ1/2個など好きな野菜を一口大に切り、茹でて水にさらし、粗熱を取る。
③野菜を①に入れて3時間ほど冷蔵庫(食中毒予防のため)に入れる。
野菜を油で揚げて、揚げびたしにしても美味しいのですがアトピーの方は油の使用は控えた方が良いため今回は茹でています。
アトピーの方は胃腸を整えるのが良いため、胃腸に良いオクラを多めに使用するのがおすすめです。
まとめ
夏は外からの刺激と、それに対抗するための体を冷やす行動によってアトピーの悪化に繋がります。
中医学の世界では夏にお腹を冷やしすぎると、その影響が冬に出ますし、夏にきちんと養生していると冬の不調も感じにくくなると言われています。
夏のうちから冬のことも考えて行動することがポイントです。