山芋と言えば、ネバネバしてて、体に良さそうなイメージを持ってる人が多いと思います。
でも、具体的に何がどういいのか?と聞かれても難しいですよね。
実はアンチエイジングや子供の発育にも関係しています。
また調理する時に痒くなったりする人もいるので、体に合ってないのかな、と心配になる人もいると思います。
そんな山芋の栄養と効能、そして調理する時のポイント等をお伝えします。
山芋について
山芋というと、スーパーに一般的に売られている長芋とは別物で、形も長くなくて色も黒っぽく濃いって感じがしませんか?
実は山芋というのはヤマノイモ科の総称です。
言わばグループ名ですね!
なのでスーパーで見る長芋は「山芋」というグループのメンバーなわけです。
では山芋のメンバーのプロフィールを見てみましょう!(笑)
自然薯
自然薯【ジネンジョ】は山に自生する野生種。
天然に近い形で栽培したものがわずかに出回っています。
粘りは他の芋に比べて非常に強く、味も最上である。
主にとろろ飯として提供されることが多い。
おろす時は細かいおろし金かすり鉢を使うと良い。
長芋
自然薯の栽培種。水分が多く粘り気が少ないのが特徴です。
歯ざわりが良いので切って和え物にしたりサラダにしたりもできます。
煮物にするとホクホクし、生とは違った美味しさもあり、様々な料理に使えます。
すらりと長い物が味がいいです。
捏芋
捏芋(ツクネイモ)は球形か団塊状で白皮の伊勢イモ。
黒皮の大和芋、丹波芋が代表的な品種。
味が良く粘りの強い高級品でとろろに最適。
その他和菓子に使われることも多い。
主に関西での需要が多いです。
銀杏芋
銀杏芋(イチョウイモ)は扇形やばち形、棒状と様々。
関東ではヤマトイモと呼び人気が高い。
粘り気は自然薯、捏芋の次に強いのが特徴。
むかご
むかごは自然薯や長芋などの葉と茎の接続部にできる小さな球芽。
ゆでるか蒸して皮をむき、和え物やご飯ものに使われることが多い。
山芋の栄養と薬膳的効能
山芋は乾燥させたものを山薬(さんやく)と言い、気を補う補気剤として使われるほど薬効のあるものです。
滋養強壮に効き、別名「山のうなぎ」と言われるほどです。
長芋や自然薯、その他と効能はあまり変わりません。
山芋はカリウム、食物繊維、でんぷん、ビタミンB群、ビタミンC、ムチンなどが含まれています。
山芋のヌルヌル成分のムチンは胃腸を保護する作用があり、またジアスターゼという消化酵素が豊富に含まれており、山芋のジアスターゼは大根の3倍あると言われています。
こうした理由からとてもお腹に優しい食材と言えるでしょう!
体にどういう働きをする?山芋の薬膳的効能
季節や体調によって食材を選び、組み合わせて料理を作るのが薬膳です。
では薬膳的にはどのような効能があるのか見てみましょう!
薬膳の基本についての説明は薬膳とは?薬膳の基本を知ると一生自分の体に活かしていける!をご覧ください。
性質:平(体を温めも冷ましもしない。どんな体質の人が食べても影響がない)
味:甘(気を補う、胃腸の機能を高める)
帰経:肺・脾・腎(皮膚を正常に保ち、病気の侵入を防ぐ。消化吸収機能を高める。身体の成長、発育、老化、性機能のコントロール)
効能:消化を促進させ、慢性の下痢や食欲不振などの胃腸症状に良く、慢性疲労の改善、肺の機能を高めて喉の渇きや咳をしずめる作用があります。
また、腎の機能を高め、老化防止にも関係するのでアンチエイジングにも良いと言われています。
また体の成長、発育も促すので子供にも良い食材です。
夜間の頻尿や寝汗、耳鳴りの改善にも良いでしょう。
山芋の調理法と簡単薬膳料理
煮ても焼いても揚げても、そして生でも、どんな料理にしても美味しい山芋。
でも、そんな山芋を調理する時に、痒くなった経験はありませんか?
その理由と対策、そして簡単薬膳料理についてお伝えします。
山芋を触って痒くなる理由と対策
山芋の痒みの原因はズバリ「シュウ酸カルシウム」です。
このシュウ酸カルシウムの結晶が皮付近にあるのですが、これが厄介なことに針のような形状をしています。
これが皮膚に触れると刺さり、痒くなってくるのです。
アレルギーかどうか心配している人もいると思うのですが、これが原因のほとんどです。
しかし、少なからずアレルギー反応として出る人もいると思いますので、症状が治まらない場合などは病院で診てもらって下さい。
調理する時の対策としては、皮に触れないのが一番なので、手袋などを使うのがオススメです。
ちなみに私はフォークに刺して皮をむき、そのまますりおろしたりします。
こんな感じ↓↓
手もヌルヌルしないし、個人的にはかなりオススメです。
手袋やフォークを使わず、山芋に触れて痒くなってしまった場合は酢を使うのが一番です。
シュウ酸カルシウムは酸に弱いので、痒い所に酢をつけて、水で流して下さい。
事前に酢水を手につけておくことでも痒みを防止できます。
切った後の山芋は酢水につけておきましょう。
オススメ薬膳料理
◉肉じゃが(じゃが芋の代わりに長芋で)
作り方は簡単で、じゃが芋を山芋に変えて調理するだけ。
私が住む大阪では肉じゃがの肉は牛肉が主流なんですが、私はアトピー体質なので潤いアップを狙って豚肉に変えて作りました。
潤いアップ肉じゃがは豚肉にして下さい。
牛肉だと元気アップ、鶏肉だと胃腸に優しい肉じゃがになりますよ。
◉長芋とわかめの酢の物
便秘解消を狙ったヌルヌル酢の物です。
長芋を切り、戻したわかめと酢の物にしました。
味は三杯酢でも二杯酢でもどちらでも美味しいです。
また、ナムルのようにしても美味しいです。
◉長芋のポテトサラダ
肉じゃが同様、じゃが芋の代わりに長芋で作りました。
長芋で作るとねっとりした感じになりますよ。
洋風な料理の時にはサラダにしてもいいですね!
まとめ
山芋は色々ありますが、手に入るものでかまいません。効能に大きな差はないので。
値段的にも買いやすく、調理しやすいのは長芋だと思います。
山芋は食物繊維も豊富で粘膜保護もしてくれ、胃腸にも優しい。
またアレルギーに関連のある肺にもアプローチできる食材です。
子供にも大人にも嬉しい効能がたっぷり。
日頃から食べる機会を増やしていってほしいです。
痒み対策としては、手袋などで触れないようにする、事前に手を酢水につけておく、痒みがでたら痒みの部分に酢をつけて水で流す。
料理はじゃが芋の代わりに山芋を使うことで効能たっぷりの料理ができる。
養生食で油ものはあまりよろしくないですが、山芋でフライドポテトを作っても美味しいですよ。
いかがだったでしょうか?
山芋についてお伝えさせていただきました。